弊社初のSFM導入の担当を担う:
成功するビジネスプロセスをゼロから定義することの難しさについて

2022/2/18

Author: Thierry Walter

概要

はじめに

こんにちは!ティエリー・ワルターです。2019年から弊社Innovative Solutionsにて営業担当者として在籍しています。本記事では、ISOL初のSales Force Management(SFM – 販売員管理)ソリューションの導入を主導することになった私の経験談を共有させていただきます。自分にとっての初めてのソリューション導入プロジェクトの進捗状況、導入途中で苦労した側面、そしてソリューション導入後の事についてお話しします。

筆者について

まず、簡単な自己紹介をさせてください。私はルクセンブルク大公国というヨーロッパの国で生まれ、高校卒業後にフランスのエクス・マルセイユ大学で応用言語(英語-日本語)学科で日本語を学びました。2016年、東京にあるルクセンブルク大使館のインターンとして来日し、同年に上智大学で交換留学をしました。卒業後、日本の中古車輸出会社の営業マンとして2年間アフリカとヨーロッパ市場向けの車の販売の仕事を経験後、ISOLに入社しました。

SFMエージェントとの最初の接触からプロジェクト開始へ

さて、本題に移りますが、記事の簡潔さを保つため、SFMソリューションの詳細な定義は割愛することにしました。SFMソリューションとは、
営業プロセスの各ステップを記録し、営業活動の分析、計画、実装と制御をデータベースでの一元管理を可能にすることを目的としているソリューションです。
次に、SFMの導入を決めたきっかけについて説明させていただきます。 2019年、世界的に有名なSFMソリューションプロバイダーのウェビナーに登録した後、エージェントより連絡をいただきました。エージェントのメールには、SFMソリューションの導入による

・内部的(一元管理、知識の蓄積、生産性の向上)
および
・外部的(リードの育成と顧客のフィードバックの収集による変化の促進)

の2つの側面からの改善活動について書いてありました。リモートミーティングを実施し、弊社のニーズに合っていると判断し、SFMの導入を決定しました。導入前は、弊社の顧客データベースはいくつかのフォーマットやExcelシートに分割され、多数の重複データが存在しており管理が困難であったため、SFMを導入することでデータを一元化出来るいい機会でした。

また、SFM導入を担当することで、弊社の営業プロセスを定義しながら営業業務そのものについて学び、学んだプロセスをSFMに統合しながら実際に営業で使用できることで営業マンとしての活動の改善に繋げられるのではという上司の想いもありました。このSFMソリューションのメインユーザーである私は、導入を担当することになり、カスタマーサポート付きのベーシッククラウドサービスの1年契約を締結しました。

SFM導入の第一印象はというと、私にとって、SFMソリューションを使用するのは就職して以来、初めてのことでした。前職(中古車輸出会社)では、顧客データを管理するためのITソリューションはなく、いつも紙でメモをとったり、同僚に直接聞いたりしていました。この時私はまだSFMに何が期待できるのか把握していない部分もありましたが、少なくとも一つは、ようやくお客様や交渉に関する情報が一元化されるということが楽しみでした。

導入開始時の印象

最初の数か月間、ISOLのカスタマーサポートを担当してくださるエージェントと定期的に連絡を取っていました。 SFMの利用方法やカスタマイズ作業を行うための講義と実際にソリューションを触りながら研修を受けることができました。

完全にカスタマイズ可能なソリューションの課題の1つは、自由度が高く、出来ることが多い反面、カスタマイズした機能を使用して何を達成したいのか具体的なアイデアが必要不可欠であるということです。
当時、私はまだ日本市場での営業経験が不足しており、答えが見えず苦労していました。

するとエージェントに次のような質問をされました。

『Thierryさんは通常、アクティビティ[A]をどのように管理しますか?そのアクティビティ[A]に対し、多くの企業が課題[B]に苦しんでいるので、弊社SFMのソリューション機能[C]を解決策として提案します。それは御社にも役に立てられそうな機能ですか?』

私は[A]に関わったことがなかったので、課題[B]に直面したことがなく、解決策[C]が弊社に適しているかどうかを判断するのは困難でした。
そのため、エージェントの提案にはしばしば(あまりにも簡単に)同意してしまう傾向があり、その結果、弊社のニーズには合わないカスタマイズをしてしまいました。

機能が多ければ多いほど、弊社のニーズにSFMを適合させることが難しく感じていました。 SFMの利用開始ハードルは低く感じましたが、
ニーズに合わせてSFMをカスタマイズしていくことは、時間の経過とともにますます複雑な作業になりました。

1年後の実施状況

この記事が公開された時点で、ソリューションの導入開始から約1年が経過し、最近、契約を延長することが決定しました。お客様情報のデータベースやメール通信機能など、日常的に活用している機能がありますが、ソリューションの機能を最大限に活用できていると言える段階ではありません。例えば、改めて弊社の営業プロセスが明確に定義されていないことに気づき、現在フォローアップ中です。一部のデータ項目カテゴリは未使用のままになっており、役立ちそうな他のデータ項目カテゴリが欠落しているものもあります。
SFMは強力なレポート機能とグラフィカルなダッシュボード機能を備えており、うまく使いこなせれば、社内の営業会議での報告の品質向上が期待できると思います。

ソリューションをより有効に活用する方法について、同僚や上司から多くの提案やフィードバックを貰いました。周りからの継続的なサポートに感謝していますし、受けたフィードバックをしっかりフォローして、SFMを弊社従業員の全員が使えるソリューションにしていこうと思っています。

学んできたこと

この経験を通して、本格的な計画とポテンシャルユーザーとのコミュニケーションが、SFM導入を成功させるための鍵であることを学びました。 当初は、私一人ですべてのユーザーのニーズを満たす計画が立てられると思いました。しかし、同僚にSFMについてのアンケートを行った際、基本的かつ重要な質問をし忘れていました。

「誰が何のためにSFMを使いたいのか?」
「どのように、どんな順序で進めるべきか?」
「それぞれのユーザーの使用する機能やデータがSFM導入全体にどのような影響・効果をもたらすか?」

また、新しいソリューションの導入担当者は、他のユーザーに使用を促す上で重要な役割を果たしていることも学びました。彼/彼女が導入するソリューションに積極的でなければ、ソリューションを使用する他の従業員はついてきません。
導入担当者は、ソリューション販売しているエージェントと同じくらいの熱心さで取り組む必要があると思います。

次のステップ

これまでの内容を読んで、成功にはほど遠いスタートであるように思えるかもしれませんが、私はSFM導入プロジェクトの将来について楽観的に捉えています。 SFM内の顧客データベースは、強固な基盤となり、近い将来、他の機能を生かす際にも役立てられると思います。
私の意見では、SFMソリューションの導入プロジェクトを成功させるには、何よりも、SFMを毎日使用するセールスマンが必要です。

今年からはより積極的に営業活動に注力していきたいと思い、SFMを有効活用しています。同僚とさらに協力し、ツールを積極的に使用してもらい、SFMからより多くの価値を引き出す方法を探し続けたいと思っています。 また、導入を成功させるために支援してくれた上司のサポートを継続的に得られて嬉しく思っています。

記事はここで終了しますが、今後また、プロジェクトの状況についてまた報告をできる機会を作りたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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